お年寄り目線で
まちおこしセンター なごみのロビーの優しい光の中で、松尾康弘さん慶也さん兄弟はハツラツとした笑顔で迎えてくれました。
東京で就職した康弘さんが地元に戻ってきた時、ちょうど弟の慶也さんの大学卒業と重なります。なんとなく地元で働きたいが、就職が見つからない兄の康弘さんから、買い物代行をはじめないかと声をかけました。

はじめは何百軒もちらしを配ったけれど、来る依頼は数件でした。それでも祖父母の世代になるお年寄りから、『助かった』、『また頼みたい』と喜んでもらえるとよかった。
きっかけは、帰省したとき、祖父の話を聞いたから。近所のスーパーがつぶれ歩いて行くには遠い店まで、タクシーを利用していることを聞いて。身近な家族の生活の不便さを実感した時でした。それ以降は、買い物に行ってもスーパーで重い荷物を運ぶお年寄りが多くいることが気にかかるようになりました。また、兄の康弘さんが、まちおこしセンターで職員として1年間働き、地元の方との出会いもこの仕事をはじめる後押しにつながります。
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買い物代行からはじめた仕事も、換気扇の掃除や電球の交換、家具の移動まで。どんどん要望が出てきます。買い物代行から何でも屋に看板を替え、仕事の依頼も増えました。
「『何かあったら頼もう』と言ってもらえるよう浸透させたい」と仕事に対する熱い思いも伝わってきました。今では、独り暮らしの方の力仕事のお手伝いや介護サービス(ヘルパーさん)で対応できない範囲のことをお手伝いするなど、町の便利なお助けマンとして市内を走り回っています。
依頼するお年寄りは田舎の孤立した環境の客さんより、住宅街に住んでいるお年寄りの方が多いとのことです。ご近所さんには、なかなか頼みにくいことも松尾さんには頼める。気軽に頼める安心感、また頼もうと思われるよさが仕事の実績につながっています。朝6時に電話がかかってきて、都合がつけばどうにか対応することもあります。福津で仕事をしたい、お年寄りの役に立ちたいと信念をもって地元で働いている松尾兄弟さんを、誇らしくも感じました。
(取材:原)
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