馬車がいる風景
宮地嶽神社の参道を、お正月の初詣のお客さんを横目に「パッカ、パッカ」と馬車が通って行きます。通りすがった参拝客や車を運転しているおばちゃんも手を振り、見上げて驚いています。観光馬車が通るのは、宮地嶽神社から海岸線の道路、津屋崎千軒かいわいの中です。
昔から福津と馬の関係は古く、遡ると、元寇の戦いの時代、北部九州では馬に乗って敵の襲来を守り、近代では軍馬の育成や調教をしていた時代がありました。明治から昭和時代は、馬車鉄道が人々の足として運行していました。津屋崎のなかには競馬場跡があることから馬と関連する仕事に就いている人も多かったようで、「うちのおじいいちゃんは、昔ジョッキーだったよ。」と会話する家族もいるとのことです。
馬車に乗車してみると、馬の足音がダイレクトに伝わってきます。馬車の上からの風景は、歩いて回る町なみとは違う風景を楽しみながら乗ることができ、青空の下を馬の歩くスピード(人が速足で歩くスピードくらい)で、風を受けて気持ち良く進んでいきます。
町並みを案内していただいた増田さんは、ずっと馬のお仕事をしていた訳ではなく、美術学校の先生をしていて、子育てにいい環境をと考えたときに、この津屋崎に出会い、福岡市から移住されたとのことです。縁あって乗馬クラブのお仕事をはじめ、今に至り、「力仕事だけれど、日々新鮮なことや出会いがあって楽しい」と話される増田さん。聞いていると馬を愛する気持ちがとても伝わってきました。
馬車を利用されるお客さんの中には、馬車好きで、ホームページを見て遠方から来た方や、馬車が通る道沿いに住む親子が日ごとに何回も利用されることもあるそうです。お金のためではなく、観光のため、津屋崎を盛り上げたいと思う気持ちが伝わってくるお仕事ではないかと感じました。
福津市も観光馬車を走らせることを後援しており、町のお祭りやイベントにも参加しています。「馬車を見ると車や道で驚き、笑顔で手を振ってくれたり、喜ばれる様子をみるのも楽しい」と増田さんは話されます。思い出作りに、観光案内付きの馬車体験でゆっくり津屋崎をまわって、乗車してみてはいかがでしょうか。
(取材:原)
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